2012.03.19 Monday
手前味噌
今年も友人から手作りの味噌が届いた。大豆と塩と麹だけで、酒精などを使わない本来の味噌。大豆は「茶豆」。枝豆で食べると、薄皮が茶色なのでこの名なのだろう。山形のだだ茶豆や、新潟の茶豆は枝豆として、独特の香ばしさと酷で人気がある。茶豆は完熟の大豆としても味が深くすこぶるうまい。虫がつきやすいので、一般には生産する人が少なくなっているらしい。友人にももっと生産量を増やして販売をしたらというが、虫食い豆の選別が大変なので無理との事。さらに今年は、麦の麹を使った味噌も作ったとの事。米が貴重であった時代、農家が作る自家製味噌はこの麦麹味噌が多く、我が父の実家もそうであったことを今でも舌が覚えている。酷が薄く、旨みに飢えていた時代は高度成長と共に米麹に変わり、どんどん麹の量を増やし、甘ったるいものが増えてきた。最近では、酒精を使い、速醸のものが大半。麦味噌はいつの間にか時代から忘れられたが、我が友は何処からか、細々と作り続けられてきた物を探し出し、今回になったらしい。酷は薄く、旨みに飽きてきたこのごろ、特に夏にはさっぱりとして美味しい。10年ほど前に偶然栃木の今市で発見し懐かしく賞味したが、来年の夏には十分堪能できると思うと心が逸る。この味噌を何かの形お客様にご提供したと考えているが、まだ思いつかない。暫しお待ちあれ。長々と手前味噌の駄弁失礼致しました。