2012.08.26 Sunday
ノスタルジックフル−ツ
青蜜柑が店頭に出ると見境なく手が伸びる。子供時代が懐かしくなるからだ。小学校の運動会というと、知り合いの自転車屋の叔父さんが急に、香具師に変身して戸板に青蜜柑を山盛りにして売っていた。いつも見ている叔父さんが妙にいなせな感じになること、秋の涼風に香る柑橘、空の青と白の体操着とみかんの緑の颯爽感が思い出されて、手が伸びてしまうのだ。その当時のものは、酸味が強く食べるには少し辛かった。今は温室栽培なのか、8月には店頭にも並び、甘味は薄いが、それが爽やかさに感じられもして、酸味もほどほどで美味。お客様にも朝出して、三つ残った。これは私のものだろう。昔を思い出して、ついでに〇〇ちゃんの顔も思い出しつつ、青空の下でいただくつもり。叔父さんはなじみの私にはいつも黙って一個くれた。始末に困りポケットに入れておくと邪魔くさかったがいいか香がしたので我慢した。私にとっての、子供時代行き特急の名は青蜜柑号なのだ。