沢沿いの緑陰空間が静寂を演出する二つの貸切り天然温泉露天風呂。春は水芭蕉、夏は蛍、秋は紅葉、冬は雪見と折々に様相を変える。食事は四季折々、地元の素材の旬の味を生かした洋食べースのスローフードをご用意して皆様のお越しを心よりお待ちしております。
先日のお客さんが、鮭トバを炭火で炙ったものをごちそうしてくれた。11月に寒風干しにした我が家の鮭が気になり、食べてみたくなった。昨年は干しすぎて硬くなりすぎたので、少し早めにしようとも思っていた。縛っておいたロ−プが雪に埋もれ、掘り出すのに難儀したが、食べるための苦労は厭わないのが私の信条である。
結果は少し柔らかいようだが、ねっとり感は十分で美味。スライスしたものを先日と同じように炙ってみるとこれもなかなか良い。丸のまま干したが、皮が硬くなり、身も骨にねばりついているので、おろすのに、手間もかかるし、身も無駄になる。今年は3枚におろしてから干すことにしようとも思った。
冬は除雪で大変ではあるが、寒くなくては出来ない食べ物がたくさんある。漬物、冷燻、肉、魚の寒風干しなどなど寒さに感謝しなくては。
「白炭」と言われる堅炭が年々入手困難になってきている。最近中国産のものもあるが、炭化がどうも中途らしく、油分が残っているのだろうか、パチパチとはねるものが多く今年は、囲炉裏に火を入れてなかった。でも今夜、福島の斎藤さんご一行がいらっしゃる。いつも、喜多方の蔵元で、新酒と酒粕を買ってくる。その酒粕を炭火で炙って食べるのをたのしみにしていらっしゃるので、久しぶりに炭を熾した。炭はねが心配で覗いてみると、炭が赤々と燃えている。
半地下のほの暗い空間の中で発光する炭の輝きに何か昔の情景を思い浮かべた。寒さと、暗さが今の時代以上に十分であった幼少期、温かい、明るいという状況は当たり前ではなかった時代があったのだ。あの時代に戻りたいとも思わないが、そこに置き忘れてきたものがあるらしいとも思う。炭の黒と、火の朱赤が対比している様に少しの間見入る。
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