「さくらです。」
早春の森で一人注目を集めていた山桜は花を落とし、舞台を降り初夏の森の緑の一員になっている。その後の舞台にのぼるべき候補は沢山いるが、どれも主役を張れないでいる。
そのなかの一つが画像のイヌザクラ。画像では、桜であることが確認できないが、間近にすると、小花の集合体で、一つ一つは立派に桜そのもの。可愛いものだが、いかんせん個体のサイズが小さすぎるし、色が桜色でない。
そんなわけで、イヌなんて失礼な名をちょうだいするはめになったのだろうと思える。房状のものを、一花づつ分解して、並べて拡大したら、イヌなんて言う名では呼べないほどに美しい。主役は張れなくても、初夏の名脇役というポジションもそれはそれで、よいものだとも思うので、イヌザクラの立ち位置に拍手を送ることにした。