沢沿いの緑陰空間が静寂を演出する二つの貸切り天然温泉露天風呂。春は水芭蕉、夏は蛍、秋は紅葉、冬は雪見と折々に様相を変える。食事は四季折々、地元の素材の旬の味を生かした洋食べースのスローフードをご用意して皆様のお越しを心よりお待ちしております。
7月初旬に画像の果実らしきものを見た。一般的な果実の形状とは全く違うので、果実かどうかも自信がなかった。
前に、雑誌かなにかで見たような不確実な記憶はあった。しばらく時間がたったので変化があり、特定できるかもしれないと、今朝突然思った。すると突然に、「ハシバミ」という言葉が浮かんできた。忘れないうちにと思い、すぐに図鑑で確認。
記憶の海の底深くにじっと沈んでいた記憶が、どういった脈絡からか、浮かんできたことに驚く。それほどつよい記憶であったはずもないのに。長い間人間やってると、色々な経験、記憶がどんなかたちで収納されているのか分かりようもないが、突然というかたちで、始末悪かったり、都合よくであったりと、生活のなかに出てくるのも楽しめるかもしれないと思うとなんか楽しい。
この果実は、ツノハシバミというらしい。西洋ハシバミの果実は、ヘーゼルナッツとのこと。これも食べられるとのことなので、熟したら食べるつもり。
8月から、毎日新聞で、高村薫のれんさいがはじまった。マークスの山以来彼女のファンで、毎日が楽しみになった。
初めは、紙面に限りのある新聞小説は展開がまだるっこくいらいらしていたが、遅筆な作家の久々の作品なので、美味しいものを味わいつつ、大事に食べる様なつもりで耐えるようにした。
子供の頃理科の実験で見た、ビーカーの水のなかに硫酸銅の粒が下降しながら溶けていく様を彷彿させるように、言葉が私の稚拙な構造の頭のなかに、溶け落ちて来るような気がした。前段展開された情景描写は、あまりにも長く気だるくなってしまうような量と、微視的描写もあったにもかかわらず、たたみかけるような文体に我を忘れて、その情景のなかに自分の立ち居地をを探していた。
創作にあたって、現地取材はほとんどしないという作家の描写はすごい。とにかく、毎日、大事に食べる、味わう時間ができた。
玄関先の漆の木が白い小花をたくさん総状につけている。そのなかに在ってはいけないものがいる。アサギマダラだ。彼らは裏磐梯では、ヨツバヒヨドリで吸蜜すると聞いている。彼らは2000キロ旅するが、それぞれ吸蜜する花が場所ごとに決まっているとも聞いている。
今日のものは、それに合致しない。我が家ではまだヨツバヒヨドリが開花していない。吸蜜するものが少ないので、宗旨替えを仕方なくしたということか。お客様も珍しいらしく、さかんにスマホで画像を撮っていたにもかかわらず、飛び去る気配は全くなく吸蜜に懸命でいる。
今年初のご対面に感激するも、その場所に驚いて、変な出会いに心の収まりが悪い。